消費税増税後の日本経済と不動産業界の展望

来る2019年10月1日、消費税が8%→10%と上がる予定になっています。

どこの業界も同じだと思いますが、とりわけ「金融業界」「不動産業界」は売り上げが消費税動向に非常に左右されます。よって、去年の今頃から今年の4月くらいまでは金融・不動産業界の仲間と会う度に、

消費増税前のかけこみ需要でしっかり儲けて、来年以降の消費冷え込みに備えなければいけませんね

なんて会話をしていた気がします。

消費税が8%に上がる時の不動産業界は、本当にてんてこまいに忙しい程のかけこみ需要が発生していた。

しかし、最近は消費税増税の話はトンと無くなってきています。理由は下記のような記事がかかれるくらいに、驚くほど「消費税増税前のかけこみ需要」が無いからなのです。

5年前のデジャブ回避か、駆け込み需要はここまで限定的-消費増税

また、今月おこなわれた参議院選挙でも、「圧倒的」と呼べるものではありませんでしたが、「増税」を謳う自民党が強さを見せつけ、消費増税を強行する阿部総理の信任が剥がれることはありませんでした。

このことからも、「国民の大部分は消費増税というイベントを仕方のないものと感じている(諦めている)」ことが伺えます。

つまり何が言いたいかというと、今回の消費税増税では、

5年前に消費税が8%になった時程の経済的混乱、消費の抑制による冷え込みは起きないのではないか

というのが、私の見解です。

経済というのは消費が落ち込むことにより停滞していきます。

増税によりサイフの紐がキツくなり消費が減る需給のバランスを保つために商品値段が落ちる会社の利益が落ち込み給料が下がる更に消費が減る商品値段が落ちるといったループにより、デフレが経済を壊していきます

5年前の消費税が8%になった時は、大きなかけこみ需要が発生し、そしてその翌年は反動で個人消費が冷え込みました。(とはいえ、大規模な経済政策により経済の大きな落ち込みは抑制されました。)

今回は前回とは違い大規模なかけこみ需要が発生していません。また、消費税が上がることに対して、どこか慣れている楽観視している、ことが国民全体の傾向として感じられます。(飲食料品を対象とする軽減税率の存在も影響していると思いますが)

下記の記事は、2019年の消費税増税後の個人消費に焦点を当てている記事ですが、図表1を見ると分かる通り「消費税8%になった時の個人消費」の大きな変動が見て取れます。

みずほインサイト「消費増税で消費は低迷するか」

また、記事中にも記載のある通り「今回の消費税増税では軽減税率などもあり、節約志向の強まりは抑制されよう。一時的な駆け込み、冷え込みが発生しても、ゆるやかな消費拡大が傾向が維持されると予測する。」とあります。

つまり、先だっての記載の通り、

「消費税増税を切欠としての日本経済停滞は幻想で、オリンピックまではゆるやかな成長傾向を歩み、その後は米中貿易戦争と世界経済の行方に左右される」

不動産業界でも駆け込み需要、その後の冷え込みは抑制され、来年以降の心配をそこまではしなくても良い市況となる

ことが私の見解となります。

さて、この見解を基に、私の投資ストーリーを少しだけ語らせて頂くと、現在世界の株価は「米国の利下げ」を理由にした株価高を享受していますが、日本株だけ「消費税増税」を理由とした上値の抑制を喰らっています。

しかし、上記のような「消費税増税による日本経済への影響は限定的」というストーリーが今後データ上から確認できるようになってくると、海外投資家がこぞって日本株を買いあさってくることが考えられます。

夏枯れ相場にも突入している日本市場ですが、「今が一番リスクの少ない買い場」だと私は感じており、ポジションを多めに持って実りの秋を迎えるのが良い作戦では、という判断をしています。

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