三井住友銀行がノルマ撤廃し、顧客の資産を増やすことを重視!大きな方向転換に(youtube動画)
少し前の報道ですが、三井住友銀行が個人向け営業(投資信託・保険のリテール営業)の新規獲得数、獲得金額のノルマを廃止したとのことです。またその他メガバンクについても、少しずつそのような動きが出てきているとのこと。
私は常々「銀行はほぼ詐欺師」という考え方をもっていましたが、ここにきてやっとそれが是正される(かはまだまだわからないが…)ということでホッとしています。
というのも、「銀行のビジネスモデルが手数料ビジネスに転換」したことにより、より多くの投資信託・保険を顧客に売りつけることができる、つまり「より多くの利益を銀行(のみに)生み出すことができる」営業マンが評価されるシステムに、ほとんどの銀行がなっています。
すると、どういったことがおきるか、上記2件目のリンクにも記述がある通り、知識がなく、仕事をリタイアして自宅で孤独感をかかえて生活している「高齢者」相手に「銀行側が儲かるだけの金融商品」を売りつける機関と銀行が化してしまったわけです。
知識もなく、判断能力も現役世代と比べて低下している高齢者相手というのは、これほど楽に「数字」が稼げる相手はいません。何回か話相手になってあげて、「絶対損はさせませんから!(←大嘘)」と言って頭を下げるだけで契約が獲得できるわけです。そして、今の銀行の営業は驚くほど知識がありません。高齢者はその商品が良いか悪いか、ではなく、「話し相手になってくれた営業マンを信用して商品を購入する」わけなので、営業には相手を説得する知識が必要ないのです。
実際に、私も独立した直後は各金融機関から保険・証券についての営業が山ほどきましたが、「誰一人として」私以上の知識を持っている営業マンはいませんでした。(ある銀行は一人目の営業が、その人の先輩を連れてきて、更に証券専門の営業マンもつれてきましたが、その人ですら知識レベルはかなり低かったです。)

といったことが、今までの現状でした。
しかし、今回「新規獲得件数などの営業ノルマ」が撤廃され、「顧客資産がどれだけ増えたか」をより重視するようになるとのことで、まずは「騙される高齢者」がいなくなります。
また、知識のない営業マンは「資産をできるだけ多く増やすことのできる運用先、リスク・リターンをどのように設定していくか、それらをしっかり説明できる話術」など様々な知識を習得することが必須とされ、勉強しない営業マンはどんどんと淘汰され、「資産運用のプロ」だけが生き残ります。
ここまでくると、我々よりも遥か高みの知識と、金融業という職業柄からくる情報ネットワークを有する「資産運用のプロ」に、資産の全てを一任して任せる安心感が生まれてきます。
結果、
・少数の「資産運用のプロ」だけが生き残り、銀行の営業人件費が削減される。
・ノルマ撤廃で一時的に営業利益は減少するが、「プロ集団」がいるという安心感から、その銀行に頼る顧客が段々と増えて利益は元に戻ってくる。また、儲からない商品を購入した高齢者からのクレーム対応が少なくなり、苦情受付コストも低減する。
・営業人件費や各種コストが削減された分、最終利益は大幅に増加する。
といった流れになることが予想されます。
今後は、こうした取り組みをいち早く始め、「社内にプロ集団」を早期に整えた金融機関の一人勝ちになるのではないでしょうか。
また、こうした「専門的な知識」を学べる機関だということがわかれば、続々と優秀な人材が銀行業界に戻ってくるはずです。
現在の世界全体で見た時の、日本人の金融リテラシーの低さは、「それを顧客に教えるはずの銀行営業マンの知識の低さ」が発端です。
日本全体の金融リテラシーの底上げのためにも、金融業界に「プロ化」をしていってほしいと私は考えます。
コメントを残す