注※本日は不動産業界ネタです。
現代では、不動産業者は不動産業だけやっていれば良い、というわけではなく、様々な業種の知識を広範に研究し、チャンスがあれば他業種にも飛び込む、連携していかなければ過酷な経営競争を生き抜いていけない時代になっています。
といったところで、色々な会社・業界の昔と今、これからを研究するための参考図書として、毎年4冊発行される四季報を定期購入しているのですが、(投資活動も兼ねています)
私自身も株式を所有しており、仕事でも建売住宅販売などで関係させて頂いている「飯田グループホールディング」の情報欄に驚愕の文章が書かれていました。
【上期減益】戸建て引き渡し4万8620戸(前期比10%増)。ただ、販価引き上げ困難で、値引き販売も想定どおり抑制できず。仕様標準化、プレカット材の生産性向上など原価低減一段進んでも下期挽回ならず。前号比下振れ。営業増益幅縮小でも増配堅持。
【原価抑制策】仕入れ価格が高めになる宅建業者からの販売用土地購入を原則、禁止に。19年春、東京・三鷹市に本社移転予定。
赤文字部分が業界の人間にとっては仰天内容なのです。今まで、飯田グループは地場不動産業者が持つ地主さんの人脈をあてこんで、土地の仕入れを行ってきました。しかし、現在はインターネットが主流となり、土地の売却についても不動産業者を頼らず、個人が相見積もりができる時代となってしまいました。(私自身、今までの業態での不動産業者というのは将来的にいらない世の中になると思っています。)
こうなってくると、飯田グループとしてもコストをかけてまで地場業者からわざわざ買い取る必要性がありません。原価抑制策として不動産業者にかかるマージンをカットするのは当然と言えます。
さて、では更なる原価抑制策を取らなければならないとなった時、どういった手段を取るかというと、次は「販売時のコストカット」がターゲットにされます。つまりは今までは不動産業者に任せていた販売を自社で行う、「自社販売部門の構築」です。
実際に、私が株主の立場として(更に業界をも知る立場の人間として)飯田グループに収益改善を要求するとした場合、自社直販にすることで簡単に不動産仲介業者のマージン分利益が向上するわけで、それを提案します。(更に言えば、自社物件を仲介する専門の子会社を作ることで、更なる収益を生み出す提案なんかも面白い?今までのやり方を完全に変えずに、販売部門だけを完全に違う会社として新設できるので効率も良い)
この方法は、「土地仕入れを地場業者からしなくてはならない」状態では、販売を取り上げると、土地の仕入れができなくなってしまう恐れから出来ませんでしたが、「土地仕入れから全て自社でまかなう」状態になれば飯田グループとしても今後一切全く持って地場業者なんて見向きをする必要性が無くなります。
と、いったところで、長らく続いた飯田グループと全国の不動産業者達との蜜月関係も終わりをつげて、不動産業者達が「完全にウチだけでもう全部出来るよ~ん」化してしまった飯田グループに振られる未来がもしかしたらすぐ近くに…、来ているのかもしれません(笑)
コメントを残す