一括借り上げ系収益物件へ投資する前に一歩立ち止まろう

本日投稿した記事を見ていただいた投資仲間から早速指摘が入りました。(笑)
「このシミュレーションだと、建ててから20年間一円も利益を抜かないことになるけど、それも覚悟しての計算なの?」
(あと、入居率が下がっていく要素付け足しちゃうと、中古物件の方も入居率が下がる計算にしないと対比することができないとも)
とのこと。

あの文章とグラフを見てこの問題点に気づくのは、ガッツリと投資の世界で生きてる人間だけでしょうね…、天才か!!って唸ってしまいました。

 

さて、弊社土地にテナントを建築するというシミュレーションの条件を少し変えて、
・20年間、年間家賃収入の5%を利益として抜き続けて、20年後のマイナスのキャッシュフロー累計で家賃を割る
・入居率は常に100%として計算する
という条件にして演算してみたところ、(経費部分ももう少し現実的なものに改編)

建物金額3000万円で建てた場合のケースで20年後の利回りが11.4%9.9%に低下しました。
建物を2000万円で建築できた場合でも、14%程といったところで、目標値の15%まで下げるのはほぼ不可能な数値となってしまいました。

つまり、建物を建てて人に貸すのは本当に効率が悪く、土地のまま売ってしまう方が効率が良いという計算結果になったということです。
色々と作戦変更が必要な結果となってしまいました。テナント建築をしたうえで募集する方向で考えておりましたが、立ち止まって最適解を出したいと思います。

 

 

今回の計算で感じたことは、「新築収益投資というのは土地をもっていないと本当に利益が出辛いな」ということです。
建物建築金額あたりの賃料が高い首都圏ならいざ知らず、地方で土地から新築収益物件を建築するのは本当に割に合わないです。

以下は30年一括借り上げ系で総建築費用1億円、年間家賃収入960万円、自己所有土地に建築したときのシミュレーション結果です。
(借り上げなので入居率は常に100%、しかし管理費のところで管理会社の利益分15%を計上する。)

土地の購入費用が無いにも関わらず、15年目からはCFはマイナスへ、それ以降は加速度的にマイナスCFが増大していきます。
(一括借り上げ系の会社は家賃下落率、空き室率をわざと低く見積もり、CFがマイナスにならないシミュレーション結果を顧客に提示します)
(ポイントは向こう10年くらいは毎年お金がしっかりと残り、儲かってるようにみえることです。故に10年以内に何棟もリピート建築してしまう人が多いことです。)

現在、収益力不足により、多くの一括借り上げ系で建築されたアパートが銀行に差し押さえをされ競売にかけられています。だいたい築年数は25年付近です。
理由は簡単、25年というのはCFのマイナス分が半端なく増大していく時期だからです。
この時期に家賃よりも銀行への返済金額の方がはるかに大きい金額になってしまい、返済不能に陥いり、競売へとかけられてしまっているわけです。

更に、最後の図は土地を仮に2,000万円で購入して、土地購入も含めて新築収益物件を建築した場合です。
(本来収益判断というのは、仮に土地を持っていたとしても、土地を売るor土地に収益物件を建てるで比較すべきで、自己所有の場合だとしても、これが正しいシミュレーション結果です。)

なんと10年目からCFがマイナスに転じ、30年間所有した場合の累計CFは-3700万円!!!!!!!

そして驚くことなかれ、この3700万円という数字、一括借り上げ系の建築会社が1億円レベルの建築をした際に利益として抜く金額とピタリ一致するのです!!!!!!!!

(((( ;゚Д゚)))怖ぇええぇぇぇぇええぇぇぇぇぇぇ!!!不動産業界の闇深ェェェェェェェェェェェェ!!!!!!

っていうかこのスキーム考えた出した人間アインシュタインレベルの天才すぎいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!

 

 

と、興奮しすぎましたが(笑)

一括借り上げ(サブリース)を悪者のように書いてしまいましたが、自分自身はサブリース契約は悪いものだと思っていません。
専門家に収益物件を集約して管理してもらい、専門家がそこから少しずつ利益をもらうというのは、とても理にかなった方法だからです。

ですが、収益不動産を自分の名義で建築するというのは立派な投資行為です。そして投資である以上、全ての責任は自分でとらなければなりません。

人から提出された数字をうのみにして盲目的に信ずるよりは、自分でも計算できて答え合わせができた方が良いことは言うまでもありません。

しかし、営業マンが営業をかけるのはこうしたシミュレーションをする能力を求めるのはさすがに酷な5,60代以上の人たちばかりです。

というか、そもそもこうしたシミュレーション結果を営業に見せたら、即座に「この客金にならんわ」と逃げます(笑)

といったところで、数字に弱い父母、祖父母世代に代わり、「将来確実に損を被る若年世代」の人間をしっかりと話し合いの場に立ち会わせ、

家族全員で、可能なら第三者の不動産の専門家にも参加してもらってゆっくりと時間をかけて話をすすめましょう(*’ω’*)

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