株式会社カチタスが12月に新規上場します。
私が勤めている時からいつ上場していくんだろうという話題は社内で出ていましたが、大体このくらいだろうなという時期から思ったより、というかかなり早い段階での上場となりました。
下記サイトから転載のグラフを見ると分かる通り、2017年3月閉め期の業績がとんでもなくよかったので、早期の上場に踏み切れたのでしょうね。
※カチタスIPO情報から転載
想定価格1640円予想だとPER20倍近く、正直割安感はありませんが、着目点は「何故カチタスはこれだけの右肩上がりの業績アップを出来たのか」です。
これは偏に「取り扱っている商品の選択が抜群に時代に合っていた」からです。他社がやらない築30年以上の中古住宅を長年の蓄積のノウハウを生かして、独壇場の戦場で大暴れできたのが右肩上がりの要因ですね。やっぱり競争相手がいないってのは最高の強みです。
特によかった点は地方の人口10万都市を主戦場として全国展開したことです。現在の不動産業界は大都市一極集中で地方なんて目も向けていませんから、競争相手は地元の不動産業者になるわけですが、地場業者って中古住宅を仲介して売るリスクを持ちたくないので、まだまだ使える中古住宅でもすーぐに土地にしましょう!(だって中古で売ると面倒くさいんだもん♪)っていう提案を売主にしちゃうわけです。
でも今のご時世注文住宅用地としての土地なんてそんなにパッパッと売れるわけなく、そこで救世主のように登場したのが築30年超の物件でも瑕疵担保無しでバンバン買ってくれるカチタスです。「地場の不動産業者と徹底的に仲良くなれ!関係性を作れ!」の号令のもとに、迅速に地方の業者さんとのネットワークを構築していきました。地場業者さんからの情報がガツガツ入ってくるようになったのが、最近の好業績に非常に反映されています。
前にも会社の成功の秘訣として挙げていた
・自分が売っている商品を、他に取り扱う競争相手がいない市場をフィールドとする
・競争相手が温い市場をフィールドにする
上記2点にどハマりしているのが、好業績の要因なわけです。
投資漫画のインベスターz主人公 財前孝史君も断言しています(笑) (※インベスターz 8巻より引用)
さてさて、これだけ書くとPER20倍も納得ですが、今後の展望としてはいかがでしょうか。
これだけ上手くいっているように見える「カチタスの業績を見た他社」はどう動いてくるか、経済の常として考えれば、「こんなおいしい市場独占させたくねぇ!」となるに決まっているわけです。実際にFCという形で同盟会社を募っているリノベ不動産とか、地場の不動産業者も工務店さんとタッグを組んで中古住宅仲介+リフォーム提案に力を入れ始めています。そして、まさに自分のように個人規模の会社で中古住宅リフォーム再販売を生業として起業する人間も増えています。
つまり、「これからどんどんこの市場は超絶激戦区になりますよー!」ということですね。となると、中々このレベルの業績を保っていくのは難しくなることが予想されます。
ただし、中古住宅の再販売は「一般社員レベルにシステム的に売らせる」ことがとっっっっても難しい市場です。(建売住宅の販売仲介のレベルを1とすると中古住宅転売は5くらい) 築30年超の中古住宅は現実的にそろそろ雨漏りや給排水の故障が発生しだす時期だし、サッシなどもかなり劣化がすすんでいる時期です。それをしっかりと、そして上手く顧客に伝える経験値・話術、そして120%気をつけてもどうしても発生してしまう、雨漏りや漏水などに対してのクレームに対処する知識・精神力。
規模の大きな会社が入っていくにはなかなかに参入障壁が高い業界です。経験値を積んで独立する中小企業のほうが直近の内はライバルになりえるのではないでしょうか。
といったところで、数年単位での保有でマネーゲームするには面白いが、長期には不安が残る…というのがファンダメンタル的に考えた時のカチタス株の予想でございました。
とはいえ、時代の波に乗った稀有な素晴らしい会社に違いないので、やさしいIPO株のはじめ方を熟読して12月を楽しみに待ちたいと思います(*’ω’*)
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